9月29日に起きたアプリの強制終了について — 原因はGoogleのサーバー側の設定でした
公開: 2026年10月5日 / 対象: iCap・iDig
結論: アプリの不具合ではなく、Googleのサーバーから届いた設定データが原因でした。
2026年9月29日 9:41〜11:47(日本時間)の約2時間、iCapとiDigで、起動中のアプリが突然終了することがありました。原因は、アプリが使っているGoogle製の部品(Firebase)が、Googleのサーバーから届いた設定データをうまく処理できなかったことです。Googleが設定を元に戻したあと、同じ現象は一度も記録されていません(10月5日まで確認)。ご不便をおかけしました。
起きたこと
9月29日の朝、アプリを開いている最中に、突然アプリが終了する報告がCrashlytics(アプリの強制終了を自動で集めるGoogleの仕組み)に急に増えました。 iCapとiDigの両方で、ほぼ同じ時刻に始まっています。 ほとんどの端末で、起きたのは1回だけです。同じ端末で2回目の強制終了が記録されることは、ほとんどありませんでした。
| 時刻(日本時間) | できごと |
|---|---|
| 9:41 | iCapで、最初の強制終了が記録されました(iDigも約5分後から)。 |
| 9:40〜11:20 | 10分ごとに200〜320件ほどが続きました。ピークは11:10台の319件(iCap)です。 |
| 11:20ごろ〜 | Googleが設定を元に戻したとみられ、件数が急に減り始めました。 |
| 11:47 | 最後の強制終了が記録されました。以降は記録されていません。 |
| 11:54 | 急増に気づいて調査を進め、原因がGoogleの部品の中にあるところまで突き止めて記録しました(発生から約2時間後)。 |
| 13:01 | 毎日1回の自動点検が「いつもの23倍」と知らせました。この時点で、すでに収まっていました。 |
どれくらいの規模だったか
| iCap | iDig | |
|---|---|---|
| この件の強制終了 | iCap 2,969件 | iDig 188件 |
| その日の強制終了すべて | iCap 3,196件 | iDig 206件 |
| 普段の1日(9月20〜28日) | iCap 62〜160件 | iDig 4〜61件 |
| 翌日(9月30日) | iCap 86件 | iDig 11件 |
同じ端末で繰り返し起きたのではなく、ほぼ1台につき1回でした(iCapは約2,970台、iDigは188台)。 iOS 17〜27・約78機種に広がっており、特定の端末やiOSの問題ではありません。 iCapの最新版(8.7)に多く出ていますが、これは多くの方が最新版を使っているためで、 iCap 7.5〜8.7、iDig 11.2〜11.18のすべての版で起きています。
原因
iCapとiDigには、Google製の部品「Firebase」を入れています。強制終了を自動で集めて、直すべき不具合に早く気づくためです。 この部品の一部(Firebase Analytics)は、ときどきGoogleのサーバーから「実験の設定」を受け取っています。
9月29日の朝、そのサーバーから届いた設定データを、部品の内部で処理する途中でエラーになりました。 記録に残った内容は「辞書(名前と値の対応表)に、名前が空のまま値を入れようとした」というエラーで、 その名前が本来届くはずのデータに無かった、ということだとみられます。 Googleの公開された報告(9月29日時点)によれば、原因はサーバー側の設定で、Googleが特定して元に戻しています。 届いたデータの具体的な中身は公開されていないため、ここから先は推測になりますので書いていません。
なぜ「アプリの不具合ではない」と言えるのか
- 落ちた場所が、すべてGoogleの部品の中でした。強制終了の記録(呼び出しの履歴)をたどると、最初から最後までGoogleの部品の処理です。iCapとiDigのコードは、この部品の機能を直接は使っていません。
- iCapとiDigで、同じ内容が同じ時刻に始まりました。2つのアプリで記録の種類(分類)まで完全に一致しています。
- アプリを更新した日とは無関係でした。古い版を含むすべての版が、同じ時刻に一斉に影響を受けました。
- ほかのアプリの開発者からも、同じ時刻に同じ報告がありました。Googleの公開された報告ページ(firebase-ios-sdk #16728)に、発生開始が同じ時刻として載っています。
- Googleが元に戻したら止まりました。アプリ側は何も変えていないのに、11:20ごろから減り、11:47を最後に記録されなくなりました。
データへの影響
強制終了が起きたのは、ご利用中の画面の裏側で動く解析の処理の中です。 確認した範囲では、この件が原因で保存した動画・画像が消えたという報告は、問い合わせフォームにも問い合わせメールにもありませんでした。 ただし、強制終了した瞬間に保存や変換の途中だった場合は、その処理がやり直しになった可能性があります。 お困りのことがあれば、お問い合わせからご連絡ください。
これから
- いまの対応:Googleが原因を取り除いたことを確認し、部品はそのままにしています。強制終了の記録(Crashlytics)は、不具合を早く直すために欠かせないためです。
- 同じことが起きたときの手順:利用状況の分析部品(Firebase Analytics)だけを取り外し、強制終了の記録は残す手順を用意しています。 この部品を無効にしていても落ちたという報告があるため、無効化ではなく、部品ごと取り外す想定です。
- 気づく仕組み:強制終了の件数は管理画面で見ており、通常時(8〜15日前)の平均と比べて急に増えたときは、毎日1回の自動点検がメールで知らせます。今回は発生中ではなく、収まったあとの通知でした。1日1回の点検では、発生中に気づけないことが分かっています。
用語
- Firebase / Crashlytics:Googleが開発者向けに提供する部品です。アプリが強制終了したときに、その原因の手がかりを自動で集めます。
- Firebase Analytics:Firebaseの一部で、アプリの使われ方を集計する機能です。今回、ここで落ちました。
- 強制終了(クラッシュ):アプリが予期せず終了すること。
数字の出どころ: Firebase CrashlyticsのBigQueryエクスポート(2026年10月5日に集計)。 Crashlyticsには、アプリの利用者数に当たる数字が含まれないため、「全体の何%」とは言えません。件数と端末数だけを載せています。